empirestate’s blog

主に政治…というよりは政治「思想」について書いています。

政治と思想

「自助、共助、公助」のこと

菅義偉政権のころ、コロナ禍のもとで政府が「まずは自助を基本にしてそれから家族や地域で助け合う共助、それから政府の公助を頼るべきだ」といったことを言って、一部で「政府が国民の自助に頼るべきではない」といった批判を浴びたことがありました。 もっ…

エコーチェンバー

snsなどで同じ意見の人々ばかりが集まることで視野が狭くなり意見が先鋭化しやすくなることをエコーチェンバー現象といいます。 これはsnsなどインターネット上で起こりやすいことのようですが、ネットに限らずどんな集団でも起こり得ることでしょうし、政治…

銃撃事件のあとの世論

安倍元首相の銃撃事件のあと、統一教会が注目を集めて糾弾されるようになり、それと政治家との関係も追及されるようになりましたが、統一教会と一部政治家との関係は今になって知られるようになったわけではなくて、それ以前から時々指摘されていたことでし…

消費税のこととか

消費税の減税は私も昔支持してましたが、去年くらいからは懐疑的になっていて、今のところは10%で据え置きにするのが無難だろうと思っています。 個人的には経済政策にはあまりこだわりがないので、その時その状況で効果があることをやればいいと思っていま…

「男女平等は実現し得ない」か?

自民党の杉田水脈(みお)議員は差別的な発言がしばしば批判されてきた人物で、かつて「男女平等は絶対に実現し得ない反道徳の妄想」や、LGBTは子供を作らないので「生産性がない」などと言ったことがあり、政務官になったことで再びその適格性に疑問が付…

政治語りの縮小

前にも書きましたが、私はあまり積極的に政治に関わりたいというタイプの人間ではないと思っています。むしろ面倒なのでできれば関わりたくないという思いのほうが強いです。それでも必要だと思うのでこうしてブログで政治語りもしてますけど、最近それが自…

社会のビジョン?

政治に関心がある人でも、どんな社会を目指すべきかというビジョンが欠けていると言われることがあります。私も多分そうでしょうが、私は正直言って、自分自身の生命と財産と自由が守られていれば、それ以上に特に社会に求める、実現したい理想やビジョンが…

統一教会のこと

安倍元首相の銃撃事件を期に、にわかに統一教会(今の名前は世界平和統一家庭連合)について言及されることが増えましたが、安倍政権と統一教会との関係はそれ以前にもちょくちょく指摘されていたことでした。(だからといって銃撃事件を正当化するわけではない…

改憲論

改憲について改めて言っておくと、私は9条だけを変えて自衛権を明記する案なら賛成できます。それ以外の条項は内容にもよりますが基本的には変えるべきではないと思います。特に人権の保証は確保しないといけない。以前の記事でも書きましたが、緊急事態条項…

フィリピンのフェイクニュース事情

以前の記事でも書きましたが、フィリピンの政治の世界ではSNSなどを通じてすっかりフェイクニュース(偽情報)が定着して政治を動かすようになっており、今回も前回も大統領選挙ではフェイクニュースが組織的に大量に流されていたと言われています。また、フェ…

中絶手術

(この件についてはすでに進展がありましたが、その前に書いていたのでそのまま投稿しました)アメリカの一部の州では中絶手術が違法化されたり、過去に中絶を合法化した裁判所の判決がひっくり返されるかも知れないという話もあって、中絶の権利に関して他国…

信教の自由

信教の自由とは人が何かの信仰を持つ自由であり、また持たない自由でもあります。 もしかしたら、信教の自由とは単に特定の宗教を信仰する自由であるから、無宗教者や無神論者には関係ないと思われることがあるかも知れませんが、自分の信じることを信じる自…

「野党は何でも反対」という言説

たまに、「野党は何でも反対している」「批判ばかりしている」と主張されることがあります。しかし、これもまたよく言われることですが、「実際には何でも反対はしていない。政党にもよるが、立憲民主党は政府法案の8割程度には賛成しているし対案も出してい…

フィリピン大統領選挙

先日行われたフィリピン大統領選挙ではマルコス氏が大差で当選しましたが、この選挙ではSNSなどを通じて組織的に大量のフェイクニュース(偽情報)が拡散され、それがマルコス氏に有利に働いて当選したとも言われています。 https://www.newsweekjapan.jp/stor…

権力の濫用を防ぐための規定

自民党案の緊急事態条項もそうでしょうが、時の政権に濫用されかねないような制度があっても、それが濫用されずに済む道はあります。それは、時の為政者がたまたま良心的で節度ある人間であることによって、しようと思えばできるけど、「濫用しないでいてく…

何のために国を守るか

人によって自国の「何」に愛着を持つかは違うと思いますが、私にとっては国に「自由」があるということが根本的に重要なことです。つまり、人身の自由や思想良心の自由や表現の自由(言論の自由)や財産権といった人権が保証されていること、また国民主権とそ…

憲法記念日

今日は憲法記念日でした。あまり批判的なことは言いたくありませんが、一部の人々の間では憲法と言うといまだに9条や平和主義のことばかりが取り沙汰されているようで、世論調査では9条の改憲については賛否がほぼ拮抗しているけど、緊急事態条項については…

緊急事態条項について

私は憲法学者でも法律家でも弁護士でもないので遺漏もあるでしょうが、懸念をそのままにはしておけないので書いておきます。自民党案の、憲法中の緊急事態条項の案については、私は今のところ反対です。私としては今のところ、自民党案のように内閣(行政)に…

軍国主義について

現代の日本は大日本帝国時代の反省の上に成り立っている面が大きいと思いますが、帝国期の全てを否定しているというわけでもなく、直接の反省の対象としているのは主に1930年代からの軍部独裁、軍国主義の体制であると思います。もっとも、その軍部独裁の体…

安全保障と政治思想

安全保障…特に軍事に対する態度は、しばしば日本において政治的な立場が強く対立する問題となっていると思います。これは戦後の日本が直接の反省の対象としてきたのが昭和の軍国主義体制であることから来ているのでしょうが、またその軍国主義体制自体が、大…

パリ不戦条約

ロシアのウクライナ侵攻でにわかに国際法について言及されることが増えました。その流れで国際法について多少調べていてパリ不戦条約のことを知り、戦争を原則的に違法とする動きは第一次世界大戦の後から本格的に始まっていて、日本の平和主義もこうした国…

ロシアのウクライナ侵攻について

(以下は現時点での内容)私はロシアによるウクライナ侵攻に反対します。少額ながらウクライナに寄付もしました。一部では、平和を訴えるならロシアだけでなくウクライナにも戦闘をやめろと言うべきではないかというような声もあるようですが、今回はウクライ…

「国」という言葉の意味

文章中で単に「国」と言われる時でも、その国という言葉の中では複数の意味が重なっていることがあると思われます。 例えば、行政の行為によって損害を受けたと思う人々が「国を相手取って裁判を起こす」などと言われる時、ここでの「国」は「政府」のことで…

軍事の「内」と「外」

多分モンテスキューだったと思いますが、「ある国で、軍が国の『外』に向かっているのは正しい状態で、軍が国の『内』に向かっているのは不正な状態である」とか書いていた覚えがあります。これを読んだ当時は、軍が外に向かっているというのは侵略行為を連…

生存権

すごく今更ですが、コロナ禍の初期のころ、「人権に配慮してるせいで人々の行動を制限できなくなるから感染症が広がる。人権に配慮してるせいで命が守れない」といったことが言われていた記憶があります。しかし、人権の最も基本的な要素の一つは生存権(ある…

表現の自由について

「表現の自由」とは、人が事実、意見、思想、主張、感情などを外に表明する権利のことを言います。 こうした表明は主に言論によって行われてきたので「言論の自由」とも言い、出版の自由や報道の自由を含みますが、表現の自由という場合には言論や出版や報道…

権威主義、教条主義とは何か?

権威主義とは、一般的な意味では何らかの権威をよりどころとして判断し行動することを指すと言います。 この意味での権威主義は、極端に走らなければ多少は必要なことだと思いますし、それが有効に働く場面というのも多分あるでしょう。一方で、社会的、政治…

改憲について4

最近また改憲の話が一部で持ち上がってきました。 改憲は今やるべきことなのかという意見もあるでしょうが、今でなくても今後出てくる可能性がありますので改めて私の考えを書いておきます。 自分としては、改憲は9条だけを変えて自衛権を明記するという内容…

「権利と義務はセット」であるのか?

世の中では「権利と義務はセットである」とか「義務を果たさないのに権利だけ主張するな」とか言われることがある(あった)と思います。そしてこの物言いには、「権利は義務と引き換えに得られるものである」という考えが含まれているものと思われます。これ…

日本人は「新自由主義を選んだ」のか?

今年10/31の衆院選では、自民党、立憲民主党、共産党が共に議席を減らしたのに対して、維新の会は4倍近く増やす躍進となりました。(公明党、国民民主党、れいわ新選組は微増)この結果については色々と分析がありますが、一つ目についたものに「新自由主義の…