empirestate’s blog

主に政治…というよりは政治「思想」について書いています。

集団的自衛権について

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集団的自衛権の行使には、私は今のところ反対ではありません。なぜなら、次のような事態が考えられるからです。

例えば、もし北朝鮮が韓国に攻め込んで朝鮮戦争が再開されたとして、日本が、まだ日本は攻められていないからといって韓国を助けなければ、北朝鮮朝鮮半島を統一してより強大になり、日本は同盟国の韓国もいない状態でこれに対峙しなければならなくなるかもしれません。要するに、敵が増えて味方が減った状態で敵に対峙しなければなりません。
またもし、ISIS(イスラム国)のようなテロリスト集団が日本の周囲の国々に攻め込み始めた場合、日本がまだ日本は攻められていないからといって周囲の国々を助けなければ、テロリスト集団がこれらの国々を乗っ取って、周り中が敵の状態で、日本は単独でこれに対峙しなければならなくなるかもしれません。

こうした事態が起こる確率は低いかもしれませんが、しかし起こり得ることではありますから、原則としては集団的自衛権は認められるべきだろうと私は思います。

もし仮に、日本が世界中を相手にしても戦えるだけの軍事力を持っているならともかく、そうでなければやはり同盟は必要になってくるだろうと思います。またもし、仮にそれだけの軍事力を持っていたとしても、やはり他の国々と同盟はするべきだろうと思います。
なぜなら、そうすることで戦争が起こるリスクを減らし、また起こった場合に受ける損害を減らし、結果的には地域や世界の秩序を保つことにもつながるであろうからです。
アメリカは軍事力世界一だと言われますが、やはり世界の他の国々と同盟しています。批判もありますが、アメリカがこのように世界に影響力を持っているおかげである程度秩序が保たれている(あるいは、保たれてきた)という面もあると思います。一つの国の中でも、政府が力を持たずに群雄割拠の状態になっている国では内戦が起こっていますから、やはり秩序を保つにはある程度の力が必要だと言えるでしょう。もちろん、力で押さえ込むだけでもいけないのですが。

またここからは、外交の基本は敵を減らし味方を増やすことであって、自ら敵を増やすような行動をしてはならない、ということも言えるでしょう。

もちろん、集団的自衛権を認めれば、濫用されて軍事行動が際限なく広がる恐れはありますし、個別的自衛権の立場だからこそ果たせる役割があるという意見もあるでしょうから、積極的に賛成するというわけでもないのですが、上に述べたような事態が起こった場合には集団的自衛権を認めざるを得ないと思います。そういうわけで、私は今のところ反対ではありません。

もちろん、集団的自衛権が濫用されないようにする必要はありますし、強引な解釈改憲強行採決ではなく順序を踏んで認めるべきだとは思います。

安保法案が強行採決された頃、私はネット上で、「中国の脅威に対抗するためには安保法案が必要だ」という意見を見ました。この法案が多くの反対に遭いながらも認められた背景には、恐らく中国の存在が大きかっただろうと思います。「今は中国から銃を突きつけられている状態だ。悠長に構えている暇はない」というような意見も見ました。(このような言い方は集団的自衛権と個別的自衛権を混同しているように思えますが)

ところが、いざ実際にこの安保法案が通って見れば、なぜか自衛隊は、中国とは関係ない南スーダン集団的自衛権を行使するという話になったのでした。これには「騙された」と思った人々も多いのではないでしょうか?強行採決という悪しき前例を残したこともありますし、この件では政権の思惑に乗せられた感があります。