empirestate’s blog

主に政治…というよりは政治「思想」について書いています。あと読書感想文とか。

この世界の片隅に

※ブログにしたら商品を紹介できるようになったので、過去記事を再掲。

映画化されたもののほうが有名かもしれませんが、「この世界の片隅に」(漫画)を読みました。

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

主に第二次大戦中(戦前戦後もあり)の広島県内を舞台にして、優しくて絵を描くのが得意だけど「よく人からぼうっとしていると言われる」女性、浦野すずを主人公にして、彼女の人生の悲喜こもごもが描かれます。

結婚とか、今とは価値観が違うなあと思うところもちょくちょくあります。そして食糧難の時には米を膨らませて体積を水増ししてたのか…とか、戦時中のカルタとか、資料に基づいて描いてるようですが細かいところがよくできてます。

↑さすがにおおっぴらにやってたわけじゃないでしょうが、当時は人身売買も行われてたんですね。まあ今もひそかにあるかもしれませんが。

舞台は主に戦時中ですが、戦争を描いているというよりは、あくまで主人公の人生を描いたもので、その舞台背景がたまたま戦争である、といったような作風でした。
ある意味戦時中を舞台にした普通の少女漫画?のような感じもしました。そのせいか私は戦争よりも主人公の人間関係のほうが気になってしまいました。特に主人公とリンさんと周作さんと哲さんとの四角関係?のようなところが…。それにしても鬼いちゃんがまさかああなるとは…。どこかメルヘンチックな絵の雰囲気もあいまって、何か宮沢賢治の作品を彷彿とさせるものがあるかも。

↑私もあれはショックだったぜ…。

この作品は反戦といえば反戦なんですが、例えば「はだしのゲン」のように明確に反戦をテーマにしているといった風でもありません。そういう意味では、この作品はいわゆる「社会派」な作品ではないようにも思います。


むしろ、戦争のような「社会情勢」ではなく、その中で生きている「個人」に焦点を当てていることこそ、この作品のキモなんだろうなと思います。
だからこそか、絵柄はリアルではないんですが、一種独特のリアリティーがあります。そういう意味で、昔読んだ「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」や「マウス」を思わせるものがありました。
その辺についてはこちら

http://empirestate.hatenablog.com/entry/20170422/1492827305