empirestate’s blog

主に政治…というよりは政治「思想」について書いています。

フィリピン大統領選挙

先日行われたフィリピン大統領選挙ではマルコス氏が大差で当選しましたが、この選挙ではSNSなどを通じて組織的に大量のフェイクニュース(偽情報)が拡散され、それがマルコス氏に有利に働いて当選したとも言われています。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/04/sns-61.php

著作権もあるのであまり載せられませんがロイター等がこのニュースを伝えており、フィリピンの政治の世界ではSNSなどを通じた偽情報がすっかり定着していて、しかもだんだん巧妙化している、かつての独裁政権時代もフェイクニュースで歴史修正されて「良い時代だった」ことにされている等と言われていました。

さらに、今回だけでなく、ドゥテルテが当選した前回の選挙でも同じようなことが行われていて、その後の米国の大統領選挙でトランプがフェイクニュースの助けを借りて当選したのもここから派生した現象だったという分析などもありました。


こうした現象は何もフィリピンだけのことではなく、日本でもすでに定着している感がありますし、ロシア等世界の他の国々でもやはりそうでしょう。

そして今回のフィリピン大統領選挙で、改めて偽情報作戦が選挙に有効だということが実証されたので、今後もこうした活動は活発に行われていくものと思われます。

こうしたことから、フィリピンの民主主義は後退していき、すぐに独裁とは言わないまでも、さらに権威主義に近づいていくだろうという分析もありました。多分日本もその方向をたどるだろうと思います。

フィリピンでも、フェイクニュースに対抗するためにファクトチェックを強化するなどの活動が行われていたようですが、資金力と組織力に勝る政権側がやはり有利だったようでそれに抗し得なかったようです。ファクトチェックを行っている組織に対する嫌がらせやヘイトも多かったとか言われていましたし。

とはいえ、ファクトチェック自体はやはり必要なことだとは思いますし、あまり広まらなくともこうした検証をメディアがやってくれることは貴重なことだとは思います。