以前の記事でも書きましたが、フィリピンの政治の世界ではSNSなどを通じてすっかりフェイクニュース(偽情報)が定着して政治を動かすようになっており、今回も前回も大統領選挙ではフェイクニュースが組織的に大量に流されていたと言われています。
また、フェイクニュース戦略もだんだん巧妙化しており、大量の匿名アカウントが発信するというような分かりやすいものではなく、有名人が報酬を受け取って発信したり、広告会社が秘密裏に行っていたりする、また偽情報も分かりやすい大げさな嘘ではなく、真偽の境界のギリギリを攻めるような分かりにくいものになっている、また偽情報で攻撃されるだけでなく、現実の物理的な暴力で死者も出ているなどと言われていました。
さらには、偽情報を活用してきた政権側だけでなく、元々は偽情報を非難していた野党側も偽情報を使うようになったとも言われます。
しかし、野党側も偽情報を使うようになったにもかかわらずそれで当選したわけではなく、結果には結びついていないとも言われていました。
もちろん偽情報はそれ自体悪いことですが、仮に偽情報を使ったとしても、体制側のような組織力や資金力がないと活用するのは難しいということなのだろうと思います。
偽情報に対抗するには、すぐに結果が出なくとも、地道に事実に基づいて活動していくしかないのでしょう。それは日本でも同じことだろうと思います。