empirestate’s blog

主に政治…というよりは政治「思想」について書いています。

冷戦

第二次大戦後の日本の歴史を多少調べて見ると、やはり冷戦の影響は大きいようで、もし冷戦がなければ日本も今とは変わっていただろうと思います。それに冷戦の構造は米中対立に見るように新冷戦でも引き継がれているので、現代的な意味があるようにも思います。

 

今の日米関係にしても、単に太平洋戦争のせいだけではなく、冷戦があったからこそ今のような関係になっているという面は大きいと思います。

日米関係にも色々問題はありますが、朝鮮半島における韓国と北朝鮮や、台湾と中国の政治状況の違いを考えれば、日本が西側だったのは、東側であるよりはよかったと自分としては思います。

 

冷戦はアメリカ等の資本主義陣営(西側)とソ連等の社会主義陣営(東側)の対立で、日本は西側についていましたし今もそうです。

社会主義陣営は独裁体制で自由がないというイメージがありますし、私も基本的にはそう思います。少なくとも、ソ連や中国のような形態の社会主義は受け入れられないところだと思います。

とはいえ、社会主義の主張に含まれる、労働者の権利の保護や人民の権利や平等の主張といった要素は、資本主義国でも多かれ少なかれ取り入れられている、あるいは共通の要素ですし、資本主義国で福祉制度が整備されてきたのも社会主義陣営の影響という面はあるでしょう。

逆に、冷戦後に社会主義圏のプレッシャーがなくなってきた後で格差の拡大のような資本主義の問題点が広がってきたということもありそうですし。

 

資本主義陣営は比較的自由主義の国が多いとは思いますが、韓国はかつて軍事独裁政権だったと言われますし、台湾も1980年代の半ばまでは国民党の一党独裁だったというので資本主義陣営が必ずしも自由だとは言えません。南米の国々でも、反共産主義だからというのでアメリカが軍事独裁政権を支援していたことがあるとか言われますし。

その意味では、軍国主義時代の日本も治安維持法社会主義を取り締まろうとし、これが濫用されて広く自由が弾圧されることになったと考えれば、日本もかつての韓国や台湾と同じように反共主義の独裁体制だったのが後に民主化された資本主義陣営だとも考えられます。

もっとも、日本の場合はその「民主化」が内側から起こったというよりは、戦争という物理的な強制力で起こったという面が大きいので(もちろん戦前にも自由主義運動はあったのですが)、それが未だに一部では歪みとして残っているような気はします。

とはいえ、第二次大戦後の日本は基本的には自由主義国だったと思いますし、私もそこは評価しています。それも大正デモクラシーのような自由主義の地盤があったからこそだとも思いますし。

 

冷戦の中でも、日本は直接には戦争に参加することはありませんでした。

それには色々な理由があるでしょうが、やはり憲法の平和主義に見るような不戦の姿勢をとってきたからだというのは基本にあるとは思います。仮にそうでなければ、日本もベトナム戦争や類似の紛争に参加して遺恨を残していたかも知れません。日本がこうした戦争に参加してこなかったという点については私も一応評価できることだと思います。

 

とはいえ、近年は日本の周囲の安全保障環境も厳しさを増していますし、やはりそれも見直しを迫られているとは思います。もちろん侵略戦争軍事独裁政権を肯定するということではないですが、自衛のためにやるべきことはやらないといけないでしょう。

仮に見直した結果、変える必要がないというならそれでもいいですが、検討はする必要があると思います。