empirestate’s blog

主に政治…というよりは政治「思想」について書いています。

治安

日本の良いところの一つには世界の中でも比較的治安がいいということがあります。

統計に現れない暗数もあるので一概には言えませんが、それでも比較的治安がいいほうだとは思います。

 

しかし当然のことですが、治安がよくて犯罪が少ないということは、犯罪が「無い」ということではありませんし、また誰にとっても安全だとか、どんな局面でも安全だとかいうことでもありません。

比較的少なくても犯罪はありますし、実際に犯罪に遭った人からしたらそれが大きな問題であることには違いないはずです。

 

あまり治安の良さを自明視しすぎると、誰かが犯罪に遭った時に、それは被害者に落ち度があったからではないかとか、犯人は日本人ではなく外国人ではないかとか根拠なく邪推することにもなりかねませんし、また自分でも警戒するべき局面で警戒が足りずに犯罪に遭いやすくなるとかいう可能性もあるので、そこはやはり差し引いて考えるべきでしょう。

 

また他国のことでも、例えばアメリカでは人種差別が根強い問題であることが知られています。

それはそうですが、だからといってアメリカ人はみんな差別主義者であるはずだと決めてかかるとしたら、それ自体が一つの差別であり偏見だと言うべきでしょう。

実際差別はありますからアメリカに行くならそこは警戒する必要はあるでしょうが、だからアメリカ人は差別するはずだと決めつけるならそれもまた正しくないということです。

 

日本にしても、差別は間違いなくありますが、だから日本人がみんな差別主義者かといったら無論そうではないので、まぁそういうことでしょう。

無題

このブログでは今まで能登半島地震について言及しませんでしたが、一応言うとそれは震災に無関心だからではなくて、単に私の立場からは特に言えることもないだろうと思ったからです。被災者の無事と現地の復興を祈る気持ちはあります。

 

というか、世の中に起こってくる色々な時事問題について、それぞれについて適当な(と自分で思えるような)ことを述べるのは私には荷が重いというのが正直なところです。自分がよく知らないような事柄についてはなおさらそうです。なので、ここで取り上げる問題は気まぐれな内容になってると思います。

政治家なら多分こうした時事問題についてコメントを出さないと批判されるでしょうしそこは大変だなと思いますが。

参政権と自由権

思想によっては人権に参政権(選挙権、被選挙権など)を含む考え方もあるようですが、個人的には人権と参政権はまた別の権利だという意識があります。

 

もっとも、参政権がないと自分にとって不利な政策を一方的に決められる可能性があるので、人権を確保するために参政権が求められるという面はあります。

 

辞書を見ると、参政権を人権に含む場合でも、参政権はより古典的な権利である自由権とは区別されると言います。*1

なので、例えば参政権がない外国人でも人身の自由はあるので、不当に拘束されたり虐待されたりしない権利はあるはずです。だからこそ、入管での外国人への虐待や技能実習生への虐待が非難されてきたものだと思います。

 

しかし参政権はまた別で、日本国籍がない外国人には選挙権はないし、被選挙権もないので公務員にはなれません。

今後状況次第で多少変わる可能性もありますが、自分としては、この参政権の規定は不当なものではないと思います。というのは、参政権があると国政に参与することになるので、国の一員としてある程度基礎的な利害関係を共有していないと不具合が出てくるだろうと思うからです。

言ってみれば、人間としての基本的な権利は外国人にも共通のものであるけど、参政権はより狭い「会員制」の権利だといった感じです。

 

もっとも、公的機関に自己の要望を述べる請願権は外国人にも認められていると言います。*2

多分これは言論の自由と同じようなスタンスでしょう。というのも、もしこの権利が認められないと、不当に拘束されたり虐待されたりしてもそれを訴えることができなくなるだろうからです。元々、請願権は国民でも参政権が制限されていた時代からある権利なので、その性質から外国人にも認められるものでしょう。

 

また、外国人でも働いているなら、労働者としての権利は当然あると思います。

*1: 

参政権(さんせいけん)とは? 意味や使い方 - コトバンク

❝ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「参政権」の意味・わかりやすい解説

参政権

さんせいけん

political rights

国民が政治に参与する権利。選挙権が代表的である。公の意思の決定に参加する決定権的参政権と,公の機関に自己の要望を述べる請願権とがある。決定権的参政権には,直接的なものと,間接的なものがある。直接的なものには公職への就任あるいは国家意思決定のための投票 (→人民投票 ) への参加がある。他方,間接的なものには国家意思決定者の選任に参与するもの,選挙における投票と公務員に対するリコールの請求,リコールの決定投票への参加がある。これらの決定権的参政権は国籍を有する者にのみ与えられる国家公民権でもある。その点,請願権は,民意を国政に反映させる手段という意味で参政権とされるが,国家所属性とは無縁と考えられ,外国人にも認められる。民主政治の発達に伴い漸次拡充されてきた参政権は,国家からの自由 (自由権) と区別されるが,その機能において後者を確保するものである。❞

*2: 

請願の手続き   (衆議院)

❝1 国会における請願の取り扱い

 

国民が国政に対する要望を直接国会に述べることのできる請願は、憲法第16条で国民の権利として保障されております。参政権のような国籍・年齢の制限はありませんので、日本国内に在住の外国人の方及び未成年の方も請願することができます。❞