empirestate’s blog

主に政治…というよりは政治「思想」について書いています。あと読書感想文とか。

新年

2021年ですね。今年もよろしくお願いします。

私は例によって慢性的なうつ状態で去年からなかなか更新もできていませんが、今年は少しずつでも更新していきたいです。

というわけで、景気づけにニンジンをかじるパンダの動画でも載せておきます。


ニンジンが美味しいパンダ


パンダはよくかわいいと言われますが、それは半分あの白黒模様のおかげで、ヒグマやアメリカクロクマのように全身黒や茶色だったらあそこまでかわいい扱いされてないだろうなという気がしないでもありません。

まぁパンダ自身にとってはそんなことはどうでもいいことでしょうけどね。パンダは人間に気に入られるためにあの模様をしているわけではないですし。
とはいえ結果的にはその模様のおかげで人間に保護されているとも言えますが、逆にそれのせいで人間に捕まえられるという面もあるでしょうし功罪あるといったところか。

そういや昔「パンダは中国の動物じゃなくてチベットの動物です!」と主張している人々もいました。今もいるのかな?
この「パンダはチベットの動物」という情報自体も不正確なようですが(後述)、仮にパンダがチベットにしかいなかったとしても、それはパンダがチベット人だという意味ではなくて、「現在はチベット領である地域に生息している動物」という意味でしかないというべきでしょう。
また仮にパンダが中国の動物だと言うとしても、それはパンダが中国人だという意味ではなく、「現在は中国領である地域に生息している動物」というだけのことです。動物には民族としての帰属があるわけではないですし、動物の世界にまで人間の政治事情を持ち込むのはやり過ぎでしょう。まぁ実際の行政としてはその生息地域の国が管理するということにはなりますし、その国の住民がその動物に思い入れを持つということはありますが。



(パンダの生息地について)
上野動物園のサイトによると、パンダは現在は中国南西部の山岳地帯に住んでいます(チベットも中国南西部にある)が、かつてはもっと広い範囲に生息していたようです。wwfのサイトによるとミャンマーベトナムの北部からもパンダの化石が見つかっているとか。またパンダの祖先は北京にも生息していたようです。
あとナショナルジオグラフィックの記事ではパンダの祖先はヨーロッパ南西部から中国に来たとも言われていました。

上野動物園のサイトより引用

ジャイアントパンダは、現在中華人民共和国・南西部にある四川省(しせんしょう)、陝西省(せんせいしょう)、甘粛省(かんしゅくしょう)の標高約1300~3500メートルにもおよぶ山岳地帯の森林で暮らしています。化石などの調査によって、ジャイアントパンダの祖先は約300万年前ころから生息していたようですが、化石の発見が標高500~700メートルあたりでも見られることから、今より低い地域に、そしてもっと広い地域に分布していたことがわかっています。
 パンダが暮らす場所を高山へ移していった理由として、天敵から逃れるためや餌の競争を避けることなどが考えられます。ただ、19世紀に入ってパンダの分布する地域が急激に減少した理由は、中国の人口が増加し生息地の開発がすすんだことが大きな原因です。”

Q6:ジャイアントパンダはどんなところに棲んでいるの?|上野動物園のジャイアントパンダ情報サイト「UENO-PANDA.JP」


wwf
パンダの生態と、迫る危機について |WWFジャパン

「世の中にはもっと苦労してる人がいるんだ」という言説

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私達は、何か今ある苦境を訴えると「世の中にはもっと大変な思いをしている人がいるんだ」と言われることがあるかと思います。

そしてそこには、言外に「だからそれくらいで文句を言うな」という意味が込められていると思われます。

いわゆる、自分の貧困を訴えると「アフリカの子供たちはもっと貧しい生活に耐えているんだ」と言われるとか、そういうものです。
(まぁ実際にはアフリカの子供たちだってその状況は千差万別で、必ずしも貧困ではないはずですが、ここでは一例として使っておきます。)


こういう論法が有効な場面というものもあるでしょうが、よく言われるように、この論法は乱用されると人を不当に抑圧するものとなると思います。

例えば、仮にある貧しい人が自分の境遇に不満があるけど、「アフリカの子供たちはもっと貧しいんだ」と言われて黙って耐えることにした場合、その人自身は貧しいままですし、かといってこの人が自分の貧しさに耐えることによってアフリカの子供たちが救われるのかといったら、別にそんなことはなく、やはり彼らも貧しいままです。
だから結局これは「現状維持」にしかならないわけですし、その現状が望ましくないものなら、その望ましくない状態が続くことになります。


一方で、もしこの人が貧しさから抜け出す努力をして、そしてその努力が実ったなら、その人自身は貧しさから救われますし、そうしてその人が豊かになれば、そのお金を使ってアフリカの子供たちを援助することも、望めばできるようになるでしょう。
だから、これは現状を変更するやり方であり、望ましくない状態があるなら、それを改善する道です。

もちろん、人が現状を改善する努力をしたからといって、必ず望み通りの結果になるとは限りませんが、そういう不確実さは人の行為全般につきもののことですから、それはよしとしましょう。
しかし例え不確実であっても、現状が望ましくないものであり、それとは違う結果を望むのなら、その現状を動かす必要があるのであり、基本的にいってそういう状況はひとりでに改善されることはないと私は思います。


思うに、この「世の中にはもっと苦労してる人がいるんだ」という論法は、「自分はまだ恵まれているのだから頑張らなければ」という具合に自分を鼓舞するためとか、あるいは人の要求が行き過ぎていて、特に必要のないものまで求めていると思われる時に使われるものであって、現状を改善する必要があり、またそれが可能でもある時に使うものではないのだと思います。
現状の改善の必要があり、またそれが可能でもあるのなら、そうする方が、そうしないより良いことであるからです。

香港民主派について

最近鬱でなかなか記事が書けないですが、とりあえず皆さんには香港の民主活動家(中国の体制に取り込まれることに反対して国家安全維持法(国安法)に反対していた側)のことを覚えておいて支持していただきたいと思います。というか他の中国国内の民主活動家とかもそうなんですが。

香港民主派の人も言ってましたが、世界の人々が香港に注目し民主派を支持していればそれが民主派にとって有利に働くし、逆に人々が無関心で香港のことを忘れていればそれが中国政府にとって有利に働くということです。

それもあってか、香港民主派の人たちは香港のことだけでなく、タイ、ベラルーシ、韓国、台湾、シンガポールなどで今起こっている、またはかつて起こってきた民主化運動についても支持を表明していました。それは同じ趣旨の活動をしているのだから自然ななりゆきでもあるし、またそれが香港や、ひいては世界の民主主義を擁護することにもつながるでしょう。日本についても同様だと思います。

それにしても、こういう国家権力の横暴に反対して世界の人民と連帯するという活動は、元々は共産主義者の間でよく行われていたもののような気がしますが、一応は共産主義を標榜するはずの中国政府に反対する形でこういう活動が行われているのも皮肉に思えます。


香港民主派の中には、親中派から毎日脅迫や嫌がらせの電話を受けてきた人もいるそうですし、街中で尾行されたり脅迫されたりもしているようです。どこの国でもそうやって国家権力を傘にきて他人を迫害することを喜ぶ人間がいるのでしょう。虎の威を借る狐が。

しかしまさにそういう国家権力の暴走から人々を守ることこそ自由と民主主義の意義だというべきでしょう。

国安法の下では米国籍を持つ人まで指名手配されています↓
www.tokyo-np.co.jp

2020年8月1日
【香港共同】香港警察が国家安全維持法(国安法)違反の疑いで、米国籍を持つ香港出身の民主活動家、朱牧民(サミュエル・チュー)氏を指名手配したことが1日分かった。香港メディアが報じた。国安法は、容疑者の国籍や犯罪を行った場所を問わずに適用すると規定しており、この規定の初適用とみられる。
…朱氏は米国在住25年。ツイッターに「国家分裂扇動罪と、外国勢力との結託で国家の安全に危害を加えた罪を犯した疑いで指名手配されたことを、報道で知った」と投稿した。


英国に亡命した民主活動家、羅冠聡(らかんそう/ネイサン・ロー)氏のツイッター
twitter.com


米国に拠点を置く香港人の団体も
hkdc.us


ところで、こうした問題は人権問題だと言われていますし、私もそう思います。そして人権問題だということは、人類一般に関わる問題であり、中国政府が主張するように単なる「内政問題」ではないということです。だから日本共産党も他の野党も中国政府を批判していましたし、日本政府も遺憾の意を表明していました。私もやはりそうします。

またそうすると、今度は過去の日本が中国や香港を侵略して住民を苦しめてきたのに、日本人に中国に物を言う資格があるのか、という反論があるかも知れませんが、そういう過去と現在、国家と個人を一まとめにして否定する思想には私は反対です。
そういうことを言い出したら、この世のどんな国の国民も、他国で行われていることを批判できなくなるでしょう。歴史の上で何の汚点もない国など存在しないと思うからです。
私は過去の日本が中国や香港を侵略して苦しめたことを認めますし、それは反省するべきことだと思いますが、それはそれとしてやはり今の中国政府の政策には反対です。


むしろそういう国家と個人、過去と現在を一体化させる態度こそ、自国に都合の悪い歴史を教えることを「自虐」と呼んで反対したり、ある国の人が悪いことをしたら同じ国民(民族)を一括して劣等民族扱いする態度と表裏一体だと言うべきでしょう。

まぁ今でも戦前の日本の体制を支持している人ならそういう論法も当てはまるのかも知れませんが、私は戦後の日本を支持していますし、戦後の体制は法的にはリベラルで個人主義なので、昔の日本だろうと現在の中国だろうと構わず批判します。


日本を含む世界は民主主義の価値を擁護し、中国の権威主義拡大を防ぐべきだと訴える羅冠聡氏のインタビュー記事。(2020年8月4日)なお、ここでは民主派リーダーと呼ばれていますが、民主派には決まったリーダーはいないと言われているのでこれは不正確な書き方だと思います。
www.news24.jp