empirestate’s blog

主に政治…というよりは政治「思想」について書いています。

ゴールデンカムイの21巻を読んで自尊心について思ったこと

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最近ゴールデンカムイの21巻を読んで思ったことですが、人は自尊心が(あるいは今でいう自己肯定感か)低いと他人に利用されやすくなってしまうものだと思います。

私も多少身に覚えがありますが、自分で自分に価値を見出だせないと、自分より価値がある(と自分が思う)ものにお仕えし、その役に立ち、そのために働くことでしか自分の存在意義を見出だせなくなるので、こうして自分にその価値を与えてくれる(と思える)誰かの意図に操られることになりやすいからです。

言ってみればジョジョ5部のアバッキオのように、「巨大で絶対的な者が出す命令に従っている時だけは、何もかも忘れ安心して行動できる(兵隊は何も考えない)」という心理状態です。たぶん薬物依存とかアルコール依存とかもこういう心理状態からくるものでしょう。


昨今流行りの過剰に愛国心を強調するナショナリズムの傾向も、たぶん当初は自分に自信を取り戻す、自尊心を高めるという意図があったのだろうと思いますが、実際にはそれは依存症のように、絶対的な命令に従う、何も考えない兵隊を生み出すものとなっているような気がします。人によってはそうでもないのかもしれませんが…


個人の性格にもよるでしょうが、国や民族は確かに私達を構成する一つの要素ではありますが、本当に自分自身の本質、それによって自己肯定感を得られるというようなものでは多分ないのでしょう。
アバッキオも、絶対的な命令に従う何も考えない兵隊になろうとしていたけど、結局は自分が一番気に病んでいた自分の人生の過去の一地点へと帰ってくることになったわけですし、私達が自尊心を持てないでいるとしたら、それはその元々の原因に取り組まない限り根本的な解決にはならないのだろうと思ったりしました。