empirestate’s blog

主に政治…というよりは政治「思想」について書いています。

放送禁止?

たまに、映画や漫画などの創作物の中で人種差別や女性差別の描写があると、それだけで「放送できない」「人権団体に怒られる」などと言われることがありますが、例えば反差別をテーマにした映画などでも作中ではまず差別の描写があってそれを批判するものですし、反戦をテーマにした作品では戦争が描かれ、いじめを取り扱った作品ではいじめの描写があるものですから、単に描写があるだけで悪いというものではないと思います。

仮にこの理論が通るなら、「はだしのゲン」には戦争描写が含まれているから戦争を助長していると言って反戦団体に怒られるということにもなるでしょう。

 

もっとも、映画のレーティングや漫画の少年誌と青年誌の違いのように、年少者向けの作品では過激な描写が控えられるということはありますが、それは年少者向けの配慮であって、大人向けの作品では規制がゆるいのは、大人なら見たものになんでもすぐ影響されたり見たものをなんでも真似するわけではなく自分で善悪の判断ができるという前提があるからだろうと思います。(実際にそういう判断ができるかと言ったらそうとも限らないでしょうが)

 

創作物の中では物語上の悪役が人種差別したり女性差別したりすることがありますが、それはそれが悪いことだという前提があるから悪役の性格としてつけられていると思いますし、また悪役でない人物が差別している場合でも、本人には何かの事情で差別するようになった過去があったり、本人の中でもそれについて葛藤があったりするから性格や物語に深みが出るというものでしょう。

 

表現の受け入れられ方には時代や地域の違いもあると思います。

近年だとたまに創作物での酒やタバコの描写が修正されることがありますが、個人的には別にいいのではと思うこともありますけどそこにもそれなりの理由があるかも知れませんし、私見ですがアメリカの創作物だと差別的な描写には気を使ってるけど暴力やグロテスクなシーンは割と普通にあるような気もします。(個人の感想です)